南極ではたらく かあちゃん、調理隊員になる
誰にでも起きる目の老化現象「老眼」。小さい文字が読みにくいなど、もしかしたら…と感じ始めていませんか。今回は、老眼にまつわる情報を特集します。
紙面協力/西日本リビング新聞社
誰でも通る道!
老眼(正確には老視)は、病気ではありません。加齢に伴う生理現象のひとつで、誰にでも起こる〝目の老化現象〟に過ぎません。
老眼になる原因は、目の中でレンズの役目をしている「水晶体」の弾性力が失われて硬くなり、さらに「毛様体筋」の動きが低下することで、水晶体の厚さ調節がうまくできなくなるためです。老化に伴う水晶体や毛様体筋の老化は、15歳頃から始まっているのですが、一般的に40歳を過ぎる頃からピントが合わせにくくなるという自覚症状が現れ、「老眼」に気付くということが多いようです。気になる人は下の「老眼チェック」で確認してみてください。
年齢と目のピント調節機能の関係
40歳を過ぎる頃から老眼の症状は緩やかに進んでいきますが、60代ほどで進行はストップします(右下グラフ参照)。その後も水晶体の硬度が進んで濁りが生じてくると、白内障になります。
いずれみんな老眼になります。それは逃れられない事実。何が見たいか、どんなことに困っているのかなど、自分のライフスタイルに合わせた視力矯正を行い、地道に付き合っていきましょう。
正視の目のピント調整力と年齢の関係
- 教えてくれたのは…
- 眼科鍋島医院 副院長・日本眼科学会認定眼科専門医 鍋島 崇寛さん
老眼のウソ? ホント?
- 近視の人は老眼にならない?
- 近視の人でも老眼になります。ただ、近くのものにピントが合いやすい近視の人は、メガネやコンタクトを外すと近くのものが見えやすいので、自分が老眼であることに気付きにくいようです。
- 老眼鏡を使うと、老眼が早く進行する?
- 老眼鏡をかけると無理をしなくても見えるようになるため、外した時の見えにくい状態がいっそう気になるだけ。早く進行することはありません。目の疲労を考えると、「まだまだ早い!」と無理をせず、老眼鏡を利用することがお薦めです。
老眼のサインに気付いたら
目をいたわろう
- 目を休める
- 連続作業をする際は、1時間ごとに10分程度の休憩をするなど、まずは目を休ませましょう。
- 無理をせず、老眼鏡などで視力を矯正する
- 自分の目の状態に合わせ、老眼鏡などを利用して視力を矯正することで、ストレスなく見える状態を確保しましょう。
- 老眼以外の「目の成人病」にも注意
- 「老眼かな」と思ったら、まずは眼科を受診しましょう。老眼のような症状の裏に、別の病が潜んでいるかもしれません。
〝大人メガネ(老眼鏡)〟についての素朴な疑問って、意外にありますよね。ホントかウソか分からない説も確認したいし…。そこで、眼鏡店でも話を聞きました。
老眼チェック
最近、新聞やスマホの文字が読みづらいかも…もしかして、初期老眼ではありませんか?
- 目が疲れやすい
- 目がかすむ
- 細かい文字が読みにくい
- ピントがなかなか合わなくなった
- Q1「リーディンググラス」や
「シニアグラス」って何? - A最近は、老眼鏡のことを「リーディンググラス」「シニアグラス」「キャリアグラス」「大人メガネ」など、違う呼び方をすることがあります。違う呼び方をすることで、老眼鏡への印象がおしゃれな雰囲気に変わりますよね。
- Q2百円均一の店などの、
安いメガネでもいい? - A既成メガネのレンズは左右の度数が同じで乱視矯正もされていないもの。正常な視力の人が対象となります。視力に左右差があったり、乱視があったりする人は、オーダーした方が快適で、目の負担は軽くなります。さらに、ブルーライトをカットする機能などをプラスすると、より快適に過ごせますよ。
- Q3拡大鏡と老眼鏡は、何が違うの?
- A簡単にいうと、文字や物を拡大して見せるメガネが「拡大鏡」、目のピント合わせをサポートするメガネが「老眼鏡」です。時刻表の確認や針の糸通しなど、短時間の作業時には「拡大鏡」、読書やパソコン作業など、長時間使用する場合は「老眼鏡」がお薦め。状況により、使い分けるとよいでしょう。
- Q4遠近両用は、なかなか
慣れないってホント? - A確かに、階段を下りる際など足元を見る時に違和感を感じる人は多いようです。しかし、メガネ専門店で鼻受けなどを調整してレンズの角度を見直すことで、大半は改善します。それでもダメな場合は、視力矯正メガネと老眼鏡を状況に合わせ、使い分けることをお薦めします。
- Q5どのくらいのペースで
買い替えればいい? - A2年半~4年半くらいで買い替える人が多いようですが、度の進み具合などで個人差があります。また、ファッションアイテムとして洋服に合わせて買う人も多いので、〝どのくらいのペースで〟と、一概には言えません。
- 教えてくれたのは…
- めがねのヨシダ 店長
SSS認定眼鏡士
陣内 博紀さん