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親としてどんなふうに
接していけば?
滋賀っ子たちに、より充実した学びの機会を―。滋賀リビング新聞社では昨年から小学生を対象とした「リビング学力テスト」を実施しています。試験問題の作成や結果分析を行う「能開センター」の滋賀本部責任者・村蒔(むらまき)亮さんに、小学生の学びについて、疑問をぶつけてみました。
- 小学校時代の学びはなぜ重要?
小学校高学年頃から算数と理科のテストで100点が取れなくなってきた。そこから基礎知識の積み上げがおろそかになり、理数系の成績は下がる一方。大人になった今でも数字が苦手―。これ、記者自身のことなんですが、今になって小学校時代の学びの重要性を痛感しています。
「小学生の子が勉強でつまづき始め、嫌になってきている時、家庭がそれをどこまで重要視しているかでその後の結果は変わってくると思います」と村蒔さん。苦手克服に取り組むなら、やはり傷が浅いうちのほうがうまくいきやすいそうですが、「一方で、子どもが小学生の間は〝この子はココが弱い〟と気づきにくいのも事実です」
―というのも、小学生は模試などを受けて、ほかの子との学力差や自分の順位を知る機会が少ないから。それが表面化するのは中学校進学後で、その頃にはすっかり勉強嫌いになっていて後戻りしにくい場合も。
「小学生のうちに模試などを受けて『わが子の学力が全国的に見てどの位置にあるのか』といったことを確かめておくのはおすすめです」
- 子どもの苦手克服、親が注意すべきことは
その模試ですが「一番大事なのは受けた後」と村蒔さん。「答え合わせ」をするだけでは十分ではなく、「間違い直し」をして、できない問題を減らすことが苦手克服につながると言います。
ちなみに、学校のテストの見直しを親子でしている人も多いと思いますが、その際の子どもへの言葉掛けは大事だそう。
「『なんでこれができなかったの?』『問題文をちゃんと読みなさい』など責めるような言い方をすると、子どもの意欲はしぼんでしまいます」。ドキッ! 両方ともつい言ってしまいそう…。
「ここをこうできると、もっと良くなるよ」「問題文は大事な所に線を引きながら読もうね。そうすれば『当てはまるものを選びなさい』なのか、『当てはまらないものを選びなさい』なのか、間違えずに済むよね」などと言い換えられるのが理想だそう。「『一緒に乗り越えよう』といった姿勢で接してあげましょう」
- 子どもを勉強嫌いにさせないために?
ちなみに、わが子が勉強好きになるにはどうすればいいのでしょう?
「勉強は本来、知らなかったことを知れて、できなかったことができるようになる楽しいもの。一緒に科学館に行ったり本などを読んだりして、そうした楽しさを体験させてあげるといいと思います」。しかし、それはきっかけにすぎず、よりしっかりとした力を付けるには「真剣にやらなければ上達できないレベルの学び」に取り組む必要があると言います。
「ここを乗り越えられるかどうかが学力向上の肝なんですが、学力を伸ばすには、たくさん間違えたほうがいいと私は思ってます」
えっ!? 間違えていいんですか…?
「もちろんそのまま放っておいてはいけませんが(笑)、間違いに気付けて直す努力ができたなら、失敗するほうが成長できます。だから子どもの勉強を見てあげるとき、親御さんは間違いを嫌わないであげて。私たちも指導の際『いい間違いだね』と声を掛けることがあるんですよ」
また、子どもたちの間違いを見て、村蒔さんにはほかにも気づくことが。「『非効率な解き方をしていて、上達するための方法を知らない』という子がたまにいます。この状態のままだと真剣にやっても上達せず、いつしかやる気を失います。例えば塾講師など学びのプロがそこに気付けて、いいやり方を示してあげられれば、壁は乗り越えやすいと思います」
- 家庭で親ができることって?
「熱心な親御さんほど、子どもに勉強を教えてあげたくなると思うのですが、その必要はありません」と村蒔さん。理由はズバリ「自分で調べなくなるから」。
「親に教えてもらえると、子どもにとっては一番手軽。でも、それに慣れてしまうと、学校や塾の先生など〝外の大人〟や、辞書などの道具に頼ることを覚えられなくなり、自ら学ぶ習慣がつかなくなるリスクも」
では、親にできることとは? 「一つは『自分のことは自分でできるよう働きかける』こと。お子さんが家のことをしてくれた時、感謝の言葉をかけるなど『自分がしたことが家族のためになっている』と実感させてあげると、自分から動ける子になります。もう一つは『勉強しなさい』と言う代わりに親自らが学ぶ姿、何かに一生懸命に取り組む姿をお子さんに見せてあげてほしいです」
共に学び、成長する―。話を聞いて、2021年は、そんな親子を目指したいと思いました。
- 自らも二児の父として子育て中の村蒔さん。今回紹介した話題以外にも、「伸びる子ってどんな子?」など、いろんな話を聞かせてくれました。続きは後日、紙面で紹介予定です