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2025年9月12日

いきいきと活動するシニアたち

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いきいきと活動するシニアたち

「まだまだ働ける」「社会に貢献したい」という元気なシニアが増えています。そこで、大津市と草津市のシルバー人材センターを取材。現状などを教えてもらいました。各センターに登録している会員にもインタビューしています。

大津市シルバー人材センター

ニーズに応えて訪問介護を開始地域の課題解決が生きがいにも

1665人(令和6年度)の会員が所属する「大津市シルバー人材センター」。

「一般家庭や地域のニーズに応える細かな仕事を提供することが多いです」と話すのは、総務課課長の若代裕子さん。庭木の手入れ、清掃、簡単な大工仕事、縫製、家事や子育ての手伝い、スーパーでの業務、訪問介護などがあるそう。

「訪問介護を行っているところは珍しく、県内のシルバー人材センターでは当センターが唯一。会員さんへのアンケートで、訪問介護事業への参入について賛成意見が多く、2000年に自前の訪問介護事業所を立ち上げました。継続が難しいといわれる業界で25年続いているのは、丁寧な仕事ぶりが評価されているからこそ。現在80~90人が従事していますが、人手不足の状況です。今後は初任者研修を開催していきたいですね」

会員が就業しやすい環境づくりにも注力している同センター。昨年度は、一部の地域で送迎サービスを実施。今年度は厚生労働省の委託事業を活用し、腰への負担を軽減するアシストスーツの貸し出しを始めました。利用する会員からは「中腰でのサービスがラクになった」との感想もあるそう。

サークル活動での仲間づくり、趣味や特技を生かした活動の応援も。「ショッピングセンターなどで開催している手づくり市もその一つ。体力的な仕事は難しくても、何かを作っている方がいらっしゃいます。これが収入や、やりがい、人とのつながりになったらいいですね」

大津市シルバー人材センター

同センターは京阪「びわ湖浜大津」駅から徒歩約5分とアクセスも便利

大津市シルバー人材センター
総務課課長 若代裕子さん
「スローガンは〝人生100年! 地域とともに笑って生きる〟です」

草津市シルバー人材センター

新たな仕事の受注開拓を目指して女性限定の入会説明会も実施

「草津市シルバー人材センター」の会員登録数は、9月1日現在で男性436人、女性267人で、平均年齢は75歳。昨年、県内初の女性理事長として中川康子さんが就任しました。

「数字で見ると、女性の方に会員となってもらう余地がまだまだあると思います。家事代行や子育て支援など、女性の特性や経験を生かせる仕事も多いので、関心を持ってもらえたら」と中川さん。月2回の通常の入会説明会のほかに、年1回、女性限定の説明会も開催しているそう。

「社会のニーズと会員の方の望む仕事が必ずしも一致というわけではありません。マッチングが難しいですが、新たな仕事の受注を開拓していきたいです」

同センターでは今年、新たに二つの事業が始まりました。一つは、8月に開催された「サークル合同発表会」。現在、手芸や川柳、カラオケなど六つのサークルがあり、趣味や気の合う会員が交流を深めているそう。発表会では、活動の紹介や作品展示のほか、会員が育てた野菜の販売もあり、にぎわったとか。

もう一つは、会員の独自事業の「大正琴教室」。

「実はいろんなスキルをもっている人がいるんです。部屋をお貸しすることもできますし、独自事業の後押しもしていきたいですね。9月17日(水)には、口の衰えを予防するために、キラリエ草津で『オーラルフレイル予防セミナー』も実施。健康面でもシニアの皆さんを応援していきます」

草津市シルバー人材センター

駐車場やサークル活動などで利用できる部屋も完備する同センター

草津市シルバー人材センター
理事長 中川康子さん
「スマートフォン講習会なども開催しています」

シニアにインタビュー

やりがいをもって
働く人たち

大津市と草津市のシルバー人材センターに、ぞれぞれ登録している会員を紹介してもらいました。センターに登録したきっかけや、仕事に対する思いなどを聞きましたよ。

撮影/武甕育子

利用者を支えて、支えられる1日でも長く続けたい仕事

大津市シルバー人材センター会員の森川中子さん(78歳)
シルバー人材センターでヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を受講、訪問介護の仕事を中心に活躍。2016年から福祉班長、2018年から理事を歴任、現在は理事会において福祉部会長を務める

「私は家でじっとしていられない性格」と笑うのは、「大津市シルバー人材センター」会員の森川中子さん。そのサポートを受ける吉岡健夫さんも「責任感があって完璧にしてくれる」と笑顔を見せます。

森川さんと同センターとの出合いは16年前、同センターでヘルパー2級の講習会(現・介護職員初任者研修)を受講したのがきっかけ。資格を取って入会し、訪問介護を始めた当初は食事の支度も受け持って、レシピのノートを何冊も作ったといいます。

「行く先々で利用者さんの経験談を聞いたり、その姿勢を学んだり。特に印象的だったのは、半身不随でパーキンソン病を患っていた利用者さんですね。自分でできることは何でもしようと挑戦されるので、私も物事を前向きに考えられるようになりました」

その人が入院した際は「話し相手に」と望まれて病院に通い、後々まで家族から感謝されたのだとか。「自分を待っていてくれる人がいる、それが1番のやりがいです。今は年を重ねて、利用者さんの多くが同世代に。若い頃好きだった映画の話など共通の話題があって楽しいですよ。お話しするだけでも大きな糧になっています」

1日でも長く続けたいと森川さん。地域に出て体を動かし、人と付き合うことが心身の健康に結びついています。

利用者の吉岡さん宅を訪問。服薬のお手伝いや、話し相手を務める森川さん

人とつながる喜び、人のためになれる幸せを感じて

草津市シルバー人材センター会員の飯沼友子さん(82歳)
2001年、草津市シルバー人材センター入会。主な仕事は、毎月2回、マンション共用部分の清掃作業や、単発で資料封入などの業務も実施。仕事以外に、同センターのリフォームクラブにも所属し活躍中

飯沼友子さんが「草津市シルバー人材センター」に入会したのは24年前。

「父の介護を機に前職を辞めていて、日中は家で一人。誰とも口を聞かない時間が続くのは良くないな、仲間や世間とのつながりもほしいなと入会しました」

チラシの配布に清掃、遺跡発掘、日常生活に困りごとがある人の家事援助といった仕事を通して、気の合う友人ができ、人生経験の豊富な年配者から学ぶ機会も。大いにやりがいを感じた出来事もあったといいます。

「妻に先立たれ、お酒ばかり飲んでいた男性がいたんです。家事をしながら注意しても、なかなか聞いてくれない。寄り添う気持ちで接していると、青春時代の音楽をかけて迎えてくださるようになりました。後年亡くなられ、息子さんから『父は人間らしい最期を遂げられました』とお礼が。少しでも楽しい時間を過ごしてくれたのかなと、うれしかったですね」

子育て中の家庭をサポートする際も、相手の状況や考えを尊重しつつ、地域の育児サークルなどの情報を伝えるよう心がけているそう。

「人とつながることは大事です。私自身、仲間と会いたいからがんばろう、健康でいようと思いますしね。センターには趣味のクラブもあり、古い着物を洋服や小物にリフォームする活動を楽しんでいますよ」

取材時、飯沼さんは「国スポ・障スポ2025」の草津市会場来場者に渡す資料一式を、手際よく封入していました

シルバー人材センター Q&A

〈Q1〉シルバー人材センターって?

〈A1〉地域の高齢者が経験や技能を生かして働く場を提供し、地域社会の活性化に貢献する組織のこと。都道府県知事の許可を受けた公益法人で、滋賀県では全ての市町に設置。主に、臨時的や短期的な就業を地元の企業から受注し、会員の高齢者に紹介して生きがいづくりや社会参加を支援しています。

〈Q2〉会員になるには?

〈A2〉健康で働く意欲と能力がある60歳以上の高齢者で、センターの趣旨に賛同する人であれば、誰でも会員になれます。ただし、入会説明を受け、入会申込書の提出、会費の納入が必要です。入会方法は、説明会に参加するなど居住地のセンターにより違いがあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

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