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専門家と訪ねる歴史探訪シリーズ。第3回は、築城450年の安土城跡へ。日本の築城技術を転換させたといわれる戦国武将・織田信長の居城跡を散策。滋賀県立安土城考古博物館も訪ねました。掲載協力/摠見寺

公益財団法人
滋賀県文化財保護協会
滋賀県内の文化財の発掘調査に取り組み、講演会などを通してその価値や魅力を発信
山口誠司さん
織田信長が1576年、天下統一の拠点として築城を始めた安土城。琵琶湖東岸の安土山に築かれた、信長最後の居城です。当時の安土山は三方を内湖に囲まれ、陸路と水運の要衝だったとか。現在は干拓により、周辺が陸地化しています。
案内してくれたのは、「滋賀県文化財保護協会」の山口誠司さん。安土城の特徴について「城全体を覆う高石垣、巨大な天主(天守)、瓦ぶきの建物を採用した造りは土塁や土の堀を多用した従来の中世城郭と一線を画しました。現代人が思い浮かべる城の原型となった革新的な城です」と、近世城郭への転換を挙げます。
「戦に備えた実用的な戦国山城とは目的が異なり、権力を誇示し、政治的に機能させる〝見せる城〟」とも解説。金や極彩色で彩られた五層七階建ての天主は、絢爛(けんらん)を極めたと伝わります。
1582年、明智光秀の謀反(本能寺の変)直後に城の中心部が焼失。1585年、豊臣秀吉の命で八幡山城に近江統治の拠点が移り、廃城となりました。
散策ルートは整備されていて、1~2時間で回ることも。
まず目に入るのが大手道。幅6m以上ある石段が約180mにわたって真っ直ぐ伸びる様が壮観です。
「戦国時代の城は防衛面から道が屈折しているのが一般的で、この大手道は異質。一説では当時の天皇を迎えるために作ったとされています。信長が住んでいたと思われる天主とは別に、本丸には京都御所の天皇の住まいの清涼殿に似た御殿が立っていたことが、礎石の配列から推定されています。天皇を迎える大手道の説とリンクします」と山口さん。
平成の大調査では、天主台の外側に礎石が見つかり、建物から突き出たテラスの存在が指摘されているようです。
400段余りの石段が真っ直ぐに伸びる大手道。広範囲に及ぶ石垣は中心部ほど大きな石が使われていることなど、場所によって石のサイズや積み方が異なる点にも注目

「滋賀県立安土城考古博物館」で知識を深めて
「城跡散策とセットで回っても」と山口さんが案内してくれたのが、「滋賀県立安土城考古博物館」。知識を深めに城跡から足を延ばしてみては。立ち寄りスポットとして、ランチにおすすめのお店も紹介しています。
安土城の核心に迫るために向かったのは、城跡から1㎞ほど東側にある「滋賀県立安土城考古博物館」。「安土城・信長・戦国」をテーマにした博物館で、昨年3月にリニューアルされました。
「築城からわずか10年で廃城となった安土城は残された資料が少なく、実像が謎に包まれたまま。ここに集まる発掘調査の資料などを見て回れば、安土城のイメージがもっと膨らむのでは」と山口さん。
安土城の天主5階をイメージした八角形のシアター。壁5面分にまたがる横幅23.5mの巨大なスクリーンに映し出される映像(約15分)は迫力あり
プロジェクションマッピングを活用した地形模型。築城前と後の安土城周辺の変化がひと目で分かります
一新された第1常設展示室にはシアタールームが登場。「信長が、宣教師に築城の目的を語りながら城内を案内する︱」というドラマ仕立ての映像を上映しています。高精細のCG映像で再現した城はきらびやかで、臨場感たっぷり。実際に見た城跡の風景と重ねながら、信長の人物像に迫ってみては。
第2常設展示室では、安土城の出土品や発掘調査の成果、周辺の城の模型などを展示。2階には図書室があり、受付で申し出れば閲覧できます。
多彩な切り口で戦国時代をひもとく特別展や企画展でさらに深掘りしてみても。4月25日(土)~6月14日(日)は、春季特別展「安土山築城前夜ー戦国乱世の城ー」が開催。 安土城築城450年の今年、近江の戦国史に目を向けてみては。
第2常設展示室の入り口付近にある、中世城郭の防衛システムを再現した模型。物陰でヤリや弓を構える兵士(人形)と目が合うと、心拍数が上昇しそう
織田軍の槍部隊を特徴づける長さ6m以上の長ヤリ(復元品)を手に持ち、異様な長さや重さを確かめることも
発掘調査で出土した遺物。城の建物を金箔瓦で飾り立てたのは信長が始まりだとか

滋賀県立安土城考古博物館■近江八幡市安土町下豊浦6678
■TEL/0748-46-2424
■9:00~17:00(最終入館16:30)
■入館料/大人600円
■https://azuchi-museum.or.jp
●4/25(土)~6/14(日)は、令和8年度春季特別展 安土城築城450年記念「安土山築城前夜-戦国乱世の城-」を開催。観覧料(常設展示含む)/大人970円 ※月曜と5/7(木)は休、5/4(祝・月)は開館

散策後のランチにおすすめのこちら。安土城跡からJR「安土」駅に向かって車で約4分の場所にあります。一人一台ずつ提供されるミニ七輪で、自分好みの焼き加減に仕上げる「近江牛炭火焼きハンバーグ」が人気。近江牛をたっぷり使ったジューシーなハンバーグと、ふっくら炊き上げた近江米のごはんでおなかを満たして。
「近江牛炭火焼きハンバーグ」は、2個1900円、3個2500円。近江米のごはん、みそ汁、薬味付き
炭火焼きハンバーグ専門店OWL(アウル)■近江八幡市安土町下豊浦4728 ガーデンコート安土1号室
■11:00~15:00(LO14:30)※完売次第終了
■不定休
■TEL/050-8889-1400
■https://www.instagram.com/sumibiyaki_hanburg_owl/