
美しい光の世界へ 冬のイルミネーションスポット
梅雨の時季は、落ち着いて本を読むのにぴったり。そこで、リビングの配布エリア5市の図書館をクローズアップ。館内で読むなら、どの市の図書館でも利用OK。お気に入りの開放的な空間で、ゆったり本の世界に浸ってみて。
れんが造りの外観が印象的な「大津市立図書館」。レトロモダンなインテリアや照明などは、1981(昭和56)年の開館当時とほぼそのまま。どこか懐かしい空間で、リラックスしながら読書を楽しめます。
蔵書数は約47万冊で、特に大津や滋賀の歴史文化に関する本が充実。2階の参考資料室には、江戸時代の俳人・松尾芭蕉や直木賞受賞作家・今村翔吾さんのコーナーも。
「昨年は、大河ドラマにちなみ『源氏物語』や平安時代に関するコーナーが好評でした。基本書を軸に地域に根差した選書、企画を心がけています」と同館司書。
1階の児童書コーナーには円形のソファ席や、子ども専用トイレがあります。目を引いたのは大型絵本の棚。約1mの細長い絵本のページをワクワクしながら開く親子の姿も。家庭では買いにくい本に接することができるのも図書館の魅力ですね。
「気軽に足を運べる居場所づくりを」との思いから、「おはなし会」や講演会などのイベントも多数実施。3階の視聴覚ホールでは、入場無料の映画会を開催。大人向け、子ども向けのどちらも毎回好評です(視聴には同館の図書カードが必要)。
「インターネットで本が読める電子図書館とオーディオブックのサービスをスタート。紙とデジタルどちらのスタイルでも楽しんでもらえます」
司書/Mさん
「草津市立図書館」は、1983(昭和58)年に開館。蔵書は約56万冊です。
司書の神村茉里さんは、「幅広い年齢層の好みに合わせた、いろんなジャンルの本をそろえています」と話します。
一昨年開館40周年を迎えた同館。「つながり」をテーマに、長い間読み継がれた絵本を約5000冊買い替えたり、大人が本を読みながら子どもたちを見守れるじゅうたんコーナーも一新されるなど、明るく過ごしやすい児童コーナーになりました。
ほかに、利用者の声をもとに玄関横のテラスに飲食可能な屋外読書スペースの新設も。スマートフォン用図書館アプリケーション「くさつLib‐mile(リブミル)」の導入で、「スマートフォンで本を借りたり予約もできて便利」との声も届くとか。
季節に合わせたテーマ展示のほか、多彩な本と出合うきっかけになるようにと2カ月に1度開催しているイベント「ビブリオバトル」も好評。一般公募のバトラー(発表者)がおすすめの本を5分間プレゼンし、観覧者が一番読みたくなった本に投票するというものです。
「熱のこもったプレゼンは聞くだけでもおもしろいですよ。新しい読書世界が広がります」
「栗東市立図書館」のオープンは1987(昭和62)年。「栗東歴史民俗博物館」「栗東自然観察の森」など緑あふれる文化ゾーン内にあります。
同館はワンフロアで、どの方角にも窓を設けた明るい空間。低めの本棚が多いので、子どもが迷子になっても見つけられそう。
司書やボランティアによる手作りの掲示物、ポップ類が豊富で、児童書コーナーの一角にある折り紙で飾ったフォトスポットも評判とか。
「〝赤ちゃんと絵本を通じて楽しい時間を分かち合うこと〟をコンセプトにした市のブックスタート事業の一環で、0歳から図書カードが作れます。ここで図書館デビューの記念撮影をしてくださいね」と司書の南川香乃さん。
蔵書冊数は約20万冊。中でも目を引くのは、「栗東トレーニング・センター」にちなんだ馬の資料コーナー。馬の生態や文化史、競馬や乗馬、馬が出てくる小説など、さまざまな本や資料が並びます。同市出身の漫画家・森田まさのりさんのコーナーも人気だそう。
「本のラインナップは随時見直し、今を意識したものを面陳列や企画展示するなど、いつ来ても新しい発見があるよう工夫しています」
「今年から一度に30冊まで借りてもらえるように。じっくりお気に入りを探しに来てください」
ガラス張りの個性的な外観が映える「野洲図書館」。2002(平成14)年にこの場所に開館し、22年が過ぎました。現在は市民活動を支える「市民協働センター」とともに成り立つ複合施設です。
図書館部分の形状は扇型で、カウンターはいわゆる扇の要部分に。放射状に本棚を配置しているので、利用者がまっすぐにカウンターに立ち寄れ、司書も利用者を見守りやすい設計になっています。テーブル席は建物の曲線に沿うように設置。庭園を眺めながら読書ができ、そのまま庭に出てテラス席で過ごす人も多いそう。
「間口は広く、敷居は低く、奥行きは深く」をキャッチフレーズに、約38万冊の本を所蔵。野洲市民は貸出冊数が無制限という読書好きにはうれしいサービスもあり。
中・高校生向けの「ヤングアダルトコーナー」に力を入れている点も特徴。司書の大﨑優美さんは、「当館では、早くから『ヤングアダルトコーナー』を設けて、主に10代の読者が読みたくなるような棚を作ってきました。忙しくて読書離れしがちなこの世代の心に刺さる小説、ライトノベル、学校生活や将来に関する情報などを取りそろえています。大人が読んでも〝じん〟ときますよ」と教えてくれました。
「図書館は〝第3の居場所〟。紙の本の安心感、ページをめくる心地よさ、そこから広がる世界を楽しんでください」
守山市の目田川に沿うように立つ「守山市立図書館」は、2018(平成30)年に建築家・隈研吾さんの事務所の設計により誕生。「本と人が出会い、人と人がつながる知の広場」をコンセプトに、図書館の機能をもつ「本の森」、市民活動に使える貸館施設「つながる森」、カフェを備えた「木もれび広場」の三つの空間で構成されています。
大きな吹き抜けのある「本の森」は、明るく開放的。ガラス越しに桜並木や川のせせらぎが眺められるので、本との出合いを探して各コーナーを巡れば、森を散歩しているような気分に。館内の至るところに椅子が置かれ、好みの場所で読書を楽しむ利用者も。
蔵書は約41万冊。隣接する「滋賀県立総合病院」との連携により、医学や健康に関する書籍、がんに関するパンフレットなど健康医療情報が充実しています。
ティーンズコーナーには、中・高校生サポーターによる本のポップやおすすめ本の紹介が。ほかにも、「おはなし会」や本の修理などを行う「図書館サポート隊」が図書館をより身近なものにしています。本だけではなく、活動を通じて人と出会える場にもなりそう。
「大人向けのイベントも多数開催。数学や天体、自然環境など理系向きの講座もおもしろいですよ」
司書/NIさん
「司書が本の案内人としてアドバイスをしますので、気軽に声をかけてくださいね」