〝聞こえの悩み〟に補聴器という選択肢を。新日本補聴器センターを見学してきた
体に良い〝ネバネバ〟といえば納豆が代表的ですが、野菜にもたくさんあるのです。夏の疲れでバテ気味な体にも効果的。その秘密に迫ります。これらを使ったイタリアンレシピも紹介。撮影/橋本正樹、鈴木誠一ほか 紙面協力/京都リビング新聞社
食物繊維やミネラルが豊富
上に並ぶのは、オクラやモロヘイヤといった夏が旬の野菜に、京都では少し珍しいツルムラサキ、オカワカメ、金時草(水前寺菜とも)。〝ネバネバ〟とした食感が特徴的ですが、その正体は何なのでしょうか。
「粘るのは、多糖類のペクチンが含まれているからです」と教えてくれたのは、管理栄養士の石伏(いしぶし)穣さん。
「ペクチンは水溶性の食物繊維。腸内で便を軟らかくするので、腸を守りながらのスムーズな排せつを促します。コレステロールの吸収を阻害する効果もあるので動脈硬化の予防にもなります」
免疫細胞の多くは腸にあるため、腸内環境を整えることで細胞が活性化して、免疫力アップも期待できるそう。
「これらの野菜に多く含まれているのが、ミネラルの一つカリウム。体内のナトリウム(塩分)を尿で排せつさせる作用があるので高血圧の人におすすめ。モロヘイヤ、ツルムラサキにはビタミンCも豊富です」
調理や下処理でおいしい一品に
「モロヘイヤはエジプト、ツルムラサキは熱帯アジア、オクラはアフリカと、いずれも暑い地域で育ち、食べられてきた食材です。日本でも夏野菜の分類で水分が多く含まれ、体温を下げる効果があります。肉などさまざまな食品とバランスよく食べることで夏バテ防止にも」と石伏さん。
ネバネバ野菜の中でも、モロヘイヤは食物繊維、カリウム、カルシウム、鉄分が特に豊富なのだとか。そんなモロヘイヤの調理には注意点も。
「完熟したモロヘイヤの種と茎には毒があります。市販の物は花が咲く前に収穫しているので、茎も食べられますが、自家栽培した物は注意してください」
石伏さんに、おすすめの調理法も聞きました。
「これらの野菜は青臭さや苦みがあるので、ゆでて下処理することが多いです。オクラやモロヘイヤなど緑黄色野菜に多く含まれるベータカロテン(ビタミンA)は脂溶性なので、油物との相性が良く炒め物にもOK。
ゆでた野菜を豆腐にのせたり豚肉で巻いたりすれば、簡単においしい一品に。寒天寄せにすれば夏でも食べやすいですね」
教えてくれたのは
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石伏穣さん
京都府栄養士会副会長
大和学園地域健康栄養支援センター
京都栄養医療専門学校 管理栄養士
この時期に見かけることの多いモロヘイヤ、オクラ、ツルムラサキ。
「3品とも特徴的なネバネバの食感を残しました」と、レシピを教えてくれた水谷健太さん。野菜専門店と立ち上げたイタリアンレストランのシェフです。
モロヘイヤは「子どもも食べやすいようにミンチと合わせました。肉と野菜をバランスよく食べられます」
爽やかなグリーンのスープになったのはオクラ。「まるごとスープにしました。直前まで冷やして食べるのがおすすめ」
ツルムラサキの優しい味を生かした茶わん蒸しのようなブディーノ。魚介や野菜のだし汁が絡まり、温かくても冷たくても味わい深くなるそう。
〈野菜のブイヨン〉(※1・約700cc分)
材料
- 水…1ℓ
- タマネギ…100g
- ニンジン…50g
- セロリ…20g
- ローリエ…1枚
作り方
- タマネギ、ニンジン、セロリはスライスしておく
- 水を入れた鍋に❶とローリエを入れて火にかける。沸騰したら弱火にして、アクを取りながら30分煮る
- 肉と合わせてバランスよく
- モロヘイヤのポルペッタ
材料(6個分) ※写真は1個分
- モロヘイヤ(注1 80g
- タマネギ 100g
- ニンジン 80g
- 野菜のブイヨン(※1 25〜30cc
- オリーブオイル 適量
- ナス 2本
- 合いびきミンチ 300g
- 卵 1個
- 牛乳 30g
- ホールトマト 20g
- 生パン粉 20g
- 塩 8g
- 白コショウ 少々
〈ソース〉
- グラニュー糖100gを鍋に入れて、中火でキャラメル状にする
- 一度火を消して米酢100ccを加え、再び中火に。130gになるまで煮詰めて、とろみをつける
(注1)自家栽培のものを使用する際は種や茎に注意する。
作り方
- モロヘイヤを葉のみ20gと、葉と茎(柔らかい部分)合わせて60gに分けておく
- タマネギとニンジンをみじん切りにして、Aとボウルで混ぜ合わせる
- ❶の葉のみ20gを約2cmに手でちぎる。30秒塩ゆでしたら氷水につけ、水気を切る
- ❶の葉と茎60gを30秒塩ゆでしたら氷水につけ、水気を切る。野菜のブイヨンと共にミキサーに入れてピューレ状にする
- ❷を6等分して、おのおの6等分にした❸と❹を生地に混ぜ込む
- オリーブオイルを温めたフライパンに、形を整えた❺を入れて焼く。焼き色が付くように、中まで火を通す
- ナスを厚さ1.5〜2cmに輪切りにして、オリーブオイルでソテーする
- お皿に❼を並べ、❻をのせてソースをかける
- うまみと栄養が凝縮された
- オクラの冷製スープ
材料(3人分) ※写真は1人分
- オクラ 10本(100g)
- 野菜のブイヨン(※1) 80〜100cc(好みで濃度調整を)
- エキストラバージンオリーブオイル 大さじ1
- メープルシロップ 小さじ1
- 塩 少々
- トマト、モッツァレラチーズ、生ハムまたはロースハム適量(トッピングはお好みで)
作り方
- オクラはヘタとガクをカットして板ずりする
- 洗った❶を3分塩ゆでして、氷水で冷ます
- 約5mmにスライスした❷とAをミキサーに入れてスープ状にする
- ❸を冷蔵庫で冷やす
- ❹を器に盛り、湯むきしたトマト、モッツァレラチーズ、ハムをトッピング
- 優しい味をたっぷりと
- ツルムラサキのブディーノ
材料(2人分) ※写真は1人分
- ハマグリ 4個
- パセリの茎 1本
- ツルムラサキ 120g
- 野菜のブイヨン(※1) 50cc
- 卵 1個
- 塩 少々
- エキストラバージンオリーブオイル 適量
- スダチの皮 適量(お好み)
◎ハマグリはエビや鶏肉でも代用可
作り方
- ツルムラサキを茎50g、葉70gに分けておく
- 鍋にハマグリとハマグリが浸かるくらいの水、パセリの茎を入れて火を通す。身を取り出したら汁をこしておく
- ❷のハマグリの汁を120cc量る。足りなければ野菜のブイヨン(分量外)を足して120ccにする
- ツルムラサキの茎を1cmにカット。1分30秒塩ゆでする。氷水で冷やし、水気を切る
- ツルムラサキの葉70gを手で約3cmにちぎり、1分塩ゆでする。氷水で冷やし、水気を切る
- ❺の内50gを、❹と野菜のブイヨン50ccと共にミキサーに入れてピューレ状にする
- ボウルに卵、❸を入れて泡立て器で混ぜる。塩を入れてから❻を混ぜる
- 二つの器にそれぞれ❼の生地を流し込む
- ❽に、食べやすい大きさにカットしたハマグリを入れ、❺の内20gを浮き身として散らす
- 蒸し器に水(分量外)を入れてふたをして、湯気が出る状態になったら、ふたかラップをした❾を入れる。蒸し器にもふたをして15分蒸す
- エキストラバージンオリーブオイルと削ったスダチの皮をにかける
※粗熱をとった後、冷蔵庫で冷やして食べてもOK
教えてくれたのは
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水谷健太さん
verde italiano il Vego(ヴェルデ イタリアーノ イルヴェーゴ)
(京都市左京区岡崎円勝寺町57-8)https://www.facebook.com/Verde-italiano-il-Vego-112137883687982/