親や祖父母の介護を行う中で、接し方に悩むことがありますね。専門家の知識や会話術を取り入れることで、悩みを軽減できるかも。読者の体験談をもとに紹介します。
イラスト/オカモトチアキ
※2025年12月にリビング読者にアンケート。
有効回答数361
記事協力/京都リビング新聞社
声のかけ方などコミュニケーションの悩みが多数
読者にアンケートを取ったところ、介護中は、相手の態度や考えの変化に振り回されたり、こちら側の思いがうまく伝わらなかったりと、やきもきしてしまうことがあるという声が多く寄せられました。
日ごろの声のかけ方や病気に配慮した接し方など、さまざまな悩みの中から六つをピックアップ。社会医学を専門とする立命館大学スポーツ健康科学部の教授・清家理(せいけあや)さん、京都府介護福祉士会の理事・木村美由紀さんにアドバイスをもらいました。
お悩み1
離れて暮らす親を不安にさせない声のかけ方は?
【読者の体験談】
離れて暮らす、母は私が訪れると喜び、ずっとそばにいてほしがる。私は長居ができず、心が痛みます(Aさん・58歳)
遠距離介護や施設での面会といった場面では、『次はいつ会えるかわからない』という不安から、家族の帰りを引き留めようとする人が多いそう。
「認知機能が低下している人には、長い説明や理屈はかえって不安を与えてしまいます。
『また○日に来るね』と、次の訪問日を明確にし、〝短く、繰り返し伝える〞ことが大切です」と、清家さん。
木村さんからは「一緒にカレンダーを確認し、訪問予定日に大きく花丸を書くなど、視覚に訴えるのも効果的です」とアドバイスが。ヘルパーを利用しているなら次回訪問日を伝えておいて、定期的に「次は○日に会えますよ」と声をかけてもらうという方法も。
ただし、いずれも重要なのは「予定を伝えたら、約束を守ること。
その積み重ねが安心感につながる」といいま
す。
お悩み2
ついイライラして親にキツくあたってしまう。
優しくするにはどうすれば?
【読者の体験談】
同じことを何度も言われたり、反対にこちらが何度言っても伝わらなかったり。イライラして口調がキツくなり自己嫌悪に陥ってしまう(Mさん・51歳)
「まず、常に優しくなければいけない、と自分を追い込まないことです。『できない日があっていい』『ここまでよくやってきた』と自分を労わることも忘れないで」と清家さん。「声が荒くなりそうなときは、一旦その場を離れて深呼吸するなど、自分を落ち着かせる間を作りましょう。心の余裕を保つために、意図的に家族と距離を置く日や、自分のための時間を作ることも大切」とか。
木村さんは、「何度も同じことを言うのは不安の表れという場合も。
相手を否定せず、毎回初めて聞いたように接すると、結果的にやり取りが短く済むことが。
これも安心感を与える一種の技術です」と。
また、高齢になると高音や早口が聞き取りにくくなるよう。「話しかける時は耳元でゆっくり、はっきりと短く伝えて。このとき、正しく理解してもらうことよりも、『大丈夫だよ』と気持ちに寄り添うことを意識するとよい」そうですよ。