
私の好きな滋賀の風景

災害が起きたとき、気になるのが家族や大切な人の安否。この機会に、〝もしも〟のときの連絡方法について考えませんか。読者が実践する備えや体験談、防災のプロによるアドバイスを紹介します。イラスト/オカモトチアキ 記事協力/京都リビング新聞社
地震や台風、豪雨など自然災害は、いつ起こるかわかりませんね。そこで、読者にアンケートを実施。すると、もしものときの連絡先や連絡方法を決めているという読者は734人中145人という結果に。連絡方法については、半数以上がメッセージアプリの「LINE(ライン)」を使用すると回答。日頃から家族間の連絡に使っているツールを、緊急時にも利用する予定の人が多いことがうかがえました。ほかには「電話」という人も多数。
集まった「わが家の連絡ルール」の中から、いくつかピックアップして下記に紹介します。
![[Q]「家族で、もしもに備えて連絡ルールを決めていますか?」 [A] はい…20%(145人)、いいえ…80%(589人)](https://www.shigaliving.co.jp/wp/wp-content/uploads/2025/09/front_250906_qa01.jpg)
![[Q]「もしものときに、家族と連絡を取り合う主なツールは?」 [A]LINE(メッセージアプリ)…55%(407人)、電話(固定電話やスマホ・ガラケーなど)…38%(276人)、Eメール(キャリアメールなど)…4%(28人)、SMS(ショートメッセージサービス)…2%(18人)、その他…1%(5人)](https://www.shigaliving.co.jp/wp/wp-content/uploads/2025/09/front_250906_qa02.jpg)
上記で紹介したような〝わが家の連絡ルール〟を決めておくことは、「防災の観点でも大切です」と話すのは、京都市防災危機管理室の職員・河野竜也さん。被災時の連絡方法について聞きました。
「被災時はパニックになりやすいもの。誰に、どのツールで連絡するのかなどをあらかじめ決めておくと、落ち着いて行動しやすくなります」
家族の避難場所を決めておくのも有効とか。もし連絡が取れなくても、一旦避難場所に行こう、と次の行動の目安になるといいます。
また、安否確認のタイミングについては「まずは自分の命を最優先に。自宅待機、避難所に行くなど安全を確保してから連絡を取りましょう」と、河野さん。
「被害が広範囲に及ぶ地震のときは通信が混みやすく、通信障害が起きやすいので、複数の連絡手段を用意しておくと心強いですよ。公衆電話の場所、災害時に開放される災害用伝言ダイヤルの使い方などを家族で共有しておきたいですね」
下記で、連絡ルールを作るときのポイントを教えてもらいました。安否確認に利用できるサービスなどを紹介しています。
家族で防災について話し合うときは「職場や学校にいるときに被災したら」など、自宅で一緒にいるとき以外のさまざまなシチュエーションを想定することで、その家族にとって連絡しやすい方法が絞られていきます。
※滋賀県では、災害に備えて自分自身がとるべき行動をあらかじめ決めておく「しがマイ・タイムライン」の作成を勧めています。「しがマイ・タイムライン」は滋賀県のホームページ(https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/bousai/sougo/322920.html)からダウンロードが可能。県内で起こりやすい風水害の解説や、必要な備えを確認でき、連絡方法についてもまとめることができます
日常的に使う連絡方法だけではなく、災害時に利用できるサービスも確認を。スマートフォンや携帯電話を持っていない家族(子どもや高齢の親など)がいる場合は、公衆電話や各社の安否確認サービスの利用も検討してみて。
状況によっては、すぐに連絡が取れないことも。「避難場所に集合する」など次の行動も決めておきましょう。
緊急連絡先リストの作り方についても、アドバイスをもらいました。
「家族の連絡先はもちろん、職場や学校など、自分や家族が日中過ごしている場所も書き出して。ほかにも、避難場所、かかりつけ医、要介護の家族がいる場合は介護施設やケアマネジャーなど、個人に合わせて連絡先の一覧を作成してください」と河野さん。
また、連絡先の携帯方法にも工夫が必要とか。
「スマートフォンの充電切れといった不安もあるため、紙にメモして携帯する、濡れないように加工するなどの工夫を。災害時は、アナログな手法が役立つ場面もあります」

地震、豪雨などの災害の発生により、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合には、各社で伝言サービスが提供されます。
「NTT西日本」が提供している、音声伝言板。「171」にダイヤルすると、音声ガイダンスに従ってメッセージを録音・再生できます(※)。録音する際は、自分の電話番号を市外局番から入力することで、番号を知っているすべての人に、まとめて安否を伝えることができます。特定の人にのみ伝えたい場合は、暗証番号の設定も可能。詳細はNTT西日本のホームページ(https://www.ntt-west.co.jp/dengon/)から確認を。※ダイヤル式電話機を使用した、ISDNやひかり電話からは利用できません。
「NTT西日本」が提供している、インターネットを利用した伝言板です。伝言板(https://www.web171.jp/)にアクセスし、メッセージを登録・閲覧できます(※)。登録に使用した電話番号を知っている人すべてが内容を閲覧可能。「災害用伝言ダイヤル」とも連携しており、事前に利用者登録をしておくと、新しい伝言が登録された際、電話やメールで通知が届くようになります。
詳細はNTT西日本のホームページ(https://www.ntt-west.co.jp/dengon/web171/)から確認を。※一部、利用できない機種もあります
携帯電話会社各社が独自に提供している、災害伝言板の機能も活用できます。詳細は各社のホームページから確認を。
スマートフォンや携帯電話、固定電話が使えない状況では、最寄りの公衆電話の利用を。
自宅や職場、学校の周辺にある公衆電話の位置を把握しておきましょう。「NTT西日本」のホームページ(https://www.ntt-west.co.jp/ptd/map/)から、全国の公衆電話の位置を検索・確認することができます。
災害発生時に被災者が無料で利用できる公衆電話です。避難所などに設置されており、災害発生時のみ利用できます。各市町村の設置場所は、「NTT西日本」のホームページ(https://www.ntt-west.co.jp/cgi-bin/saun/saitai/tokusetsu/index.cgi)で確認できます。

使い慣れているアプリで、連絡を取り合うという方法も。メッセージアプリの「LINE」には、災害時にのみ開放される〝安否確認機能〟があります。安否のほか、今いる場所や状況などを登録できますよ。アプリ内で友達になっている人は、内容を閲覧可能。個別の連絡が難しい場合に便利です。「Facebook」にも類似の〝セーフティーチェック機能〟があります。

・関西で地震があった際、「災害用伝言ダイヤル」で東京に住む弟から安否確認のメッセージが届いた(Dさん・58歳)
・阪神淡路大震災時、会社との安否確認に特設公衆電話を利用しました(Kさん・66歳)